(その三)「第12回 映画の復元と保存に関するワークショップ」
「第12回 映画の復元と保存に関するワークショップ」25日(土)続き。
お昼は電通大の隣の東京現像さんの会議室を借りて、弁当を食べながら、「ホームムービーの日」世話人会議だ。
各地の世話人メンバーが10人集まって、今年の上映会の予定と「今年の一本上映会」の日程相談。私は中野区担当だが、今年は会場を世話してくれた方が定年退職してしまったので、会場探しを一から始めなければならないと報告。
九州の方はスカイブ通信で会合に参加した。
急いで会場に戻って、午後の講義、続き。
○13:15〜14:45 セッション1「地域映画〜8ミリフィルムの新たな可能性〜」
モデレーター:三好大輔(東京藝術大学・株式会社アルプスピクチャーズ)
登壇者:畑中章宏(作家・民俗学者・編集者)、来島修志(日本福祉大学)、澤田誠(名古屋大学環境医学研究所)、須永剛司(東京藝術大学)、川嶋稔夫(はこだて未来大学)
☆「家庭映画」から「地域映画」へ。
家庭で撮られたホームムービーを保存して上映する啓発活動は、日本では10年以上前から行われている。私も中野区で上映会を二回開催した。今年も秋に全国20カ所上映会が開催される予定だ。
しかし、ただ懐かしいだけではなくて、「地域の役に立つ」とか「認知症予防になる」とか、何か付加価値を付けて、押し入れの中の8ミリフィルムを探して貰おうじゃないかというのが、三好さんの戦略だ。
まずは、地域映画とはどういうものか?↓見てね!
https://www.youtube.com/watch?v=hdmvsoSv0Bg
竹田市の取り組み。
そもそも素人が家族を撮った8ミリフィルムは、何故こんなにも心に染み入るのだろう?
登壇者の皆さんによると―――、
・画像が荒く見る部分が限られているせいで、情報が選択され、逆に想像力をかき立てられる。
・たとえば祭なら、プロは式次第を順に撮るだけだが、家庭映画は家族が祭に行く準備から撮る。行く途中や帰り道、あるいは祭ではなく見ている側の反応を撮っている。それが共感を呼ぶ。
・海馬は場所と時間を記憶していて、エピソードは記憶しやすい。時と共に頭の中で美しく作り上げていく。
・だったら、いったいいつから映像は懐かしくなるのか? いつから頭の中で美しく作り上げられるのか? それには50年待たねばならないのか?
・たんに8ミリ全盛期は高度成長期と重なっているので、明るい未来があった時代が撮されているからか?
・いや、ただ懐かしい映像を上映するだけでなく、高齢者には発言する時間を作ることが大事だ。
等々・・・。映像表現に関わる大変興味深い話だった。
(まだまだ続く!)